ビボログ3.0

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映画感想『クルエラ』/エマ・ストーン主演の美しいディズニー映画

ディズニー作品は嫌いではないけど好んで観るほどでもないので(『トイ・ストーリー』シリーズと『アナと雪の女王』シリーズくらいしか観た記憶がない)、本作『クルエラ』も普通にスルー予定だったんですけど、評判が良さそうだし、何よりヴィラン誕生の秘話というそそられる内容だったので劇場鑑賞することに。

いろんな意味で美しい映画だったなと。

持って生まれた我の強さ、行動力や胆力などのパーソナルな部分。ファッションデザイナーになるという夢やデザインセンス。母親を殺したバロネスへの復讐。そしてヴィラン・クルエラの誕生。すべては出生の秘密に起因していたという流れは淀みなく美しくて、恐ろしいほどの完成度。没入感もハンパなかったっす。今さらながら、ディズニーって、すごいっすね。

命を奪うことではなくて、社会的に抹殺することでバロネスへの復讐を果たす結末も実に爽快で見事で美しかったです。

そして『101匹のわんちゃん』へと繋がっていくラストカットもお見事。あの子犬同士が出会うのね…。

 

で、なんと言ってもエマ・ストーンの美しさですよ。キュートで可愛らしいエルシアとセクシーでカッコいいクルエラ。もうね、エマ・ストーンの魅力が大爆発。あんなギャップを見せつけられたら、そりゃあファンになっちゃいますよ。

ミュージカルは苦手なので観てないんですけど、エマ・ストーンが出演しているのなら観ようかしら、『ラ・ラ・ランド』。

 

華やかなドレスや装飾、ダークな風景など映像の美しさや、カッコいいクルエラのアバンギャルドな化粧やファッションなど、視覚的にも楽しめるというのもグッド。その上、70年代のロンドンのパンクでグラムな雰囲気もスタイリッシュで、これまたグッド。

要は、プロットもエマ・ストーンも映像も、すべてがうまく融合されていて美しい作品なんですよ。唯一気に入らなかったところは…僕の大好きなロックスター、デヴィッド・ボウイの曲が使われなかったところかな。70年代でロックといったら、ボウイでしょ?

 

他に良かったところは、復讐のために突き進むクルエラが、仲間であるジャスパーやホーレスに対して傲慢な態度をとって仲違いするシーン。良くも悪くも「実の母親」からの血が色濃く受け継がれているんだなぁと。クルエラは認めたくないだろうけど、やっぱり似ているんですよね。血は争えないんですよ。そんな抗えない悲劇性が妙にリアリティがあって個人的にはツボでした。

でも、そのあと(反省したからなのかどうかはわからないけど)、捕まったジャスパーとホーレスを救出するという仲間思いのところを見せるんだけど、それは「育ての母親」の影響によるものだと思うんですよね。「育ての母親」からは愛情をたっぷりと受けていたんだなぁと胸にくるものがあって、これはこれでツボでした。

 

エステラの青春譚でもあり復讐劇でもあるという、非常に感情の揺れ幅の大きい作品で没入度も高く、かなり面白かったです。『ジョーカー』を彷彿とさせるようなクルエラの狂気にもグッときました。

まぁ、でも本作のMVPは面の皮の厚い傲慢なカリスマデザイナーであるバロネスを演じたエマ・トンプソンじゃないですかね。敵役っぷりが素晴らしく、そのおかげでクルエラに思いっきり感情移入できたし、ラストの爽快感もたまらなかったです。

 

『クルエラ』、オススメです。